よくある質問
Q3. 法定相続分とは異なる割合で遺産を分配したいのですが。
Q5. 相続人間で遺産分割の協議がまとまらないのですが、どうしたらよいでしょうか?
Q6. 相続人に行方不明の人がいるのですが、どうしたらよいでしょうか?
Q8. 不動産取引で気をつけなければならないことは何ですか?
Q13. 夫婦で共同で不動産を購入する場合に持分はどのように決めればよいでしょうか?
Q1. 司法書士はどのような業務を行うのですか?
司法書士の主な業務の一つとして、権利に関する不動産登記の申請代理があります。
不動産登記は不動産の権利関係を公示する大変重要なものです。
一般の方が自らその手続きを行うことは難しく、専門知識がある司法書士が代理人となり登記申請を行うことで登記の真正を確保し、安全かつ迅速な不動産取引を実現させる働きをしています。
Q2. 相続分について教えて下さい。
民法によって相続分(法定相続分)が定められています。
配偶者は常に相続人となり、それ以外の人は相続人になる順序が決まっています。
相続人(法定相続分)
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- 第1順位:子がいる場合は配偶者(2分の1)、子(2分の1)となります。
※なお、実子、養子、嫡出子、非嫡出子の区別はありません。
先に子が死亡していて孫がいる場合は、孫が相続人となります。
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- 第2順位:子がいない場合は配偶者(3分の2)、直系尊属(3分の1)となります。
※なお、父母がいれば父母、いなければ祖父母が相続人となります。
- 第3順位:子、直系尊属がいない場合は配偶者(4分の3)、兄弟姉妹(4分の1)となります。
※なお、先に兄弟姉妹が死亡していてその子(甥、姪)がいる場合は、その甥、姪が相続人となります。
Q3. 法定相続分とは異なる割合で遺産を分配したいのですが。
相続人全員で話し合いを行い、合意が成立すると、法定相続分と異なる割合で遺産を分配できます。
この話し合いを遺産分割協議といい、紛争防止のため、合意の内容を書面にまとめます(遺産分割協議書)。
この際、一部の相続人の関与がない状態で遺産分割協議を行った場合、この遺産分割は無効となります。
そのため、必ず全ての相続人が遺産分割協議に参加することが必要になります。
なお、被相続人の債務については、債権者の同意がない限り、各相続人が遺産分割の割合ではなく法定相続分で負担することになります。
この債務の負担割合を変えたい場合は、債権者との間で、ある相続人の債務を他の相続人が引き受けるという「債務引受契約」を別途締結する必要があります。
「契約」であるため、相手方である債権者の同意が得られないと、債務の負担割合を変えることはできません。
ただし、債務の負担についての相続人間での合意は有効です。
相続人間の合意により債務を負担しないこととなった相続人が、債権者に対して弁済を行った場合、債務を負担することとなった相続人に対して求償を求めることができます。
Q4. 相続人に未成年者がいるのですが注意点はありますか?
相続人の中に未成年者がいる場合に遺産分割協議を行う場合は、その親権者が未成年者を代理して遺産分割協議を行います。
ただし、その親権者自身も相続人である場合や、複数の未成年者を一人の親権者が代理する行為は、「利益相反行為」に該当します。
その際には、家庭裁判所に「特別代理人選任申立」を行い、選任された特別代理人が未成年者に代理して遺産分割協議を行うことになります。
この特別代理人を選任せずに行った遺産分割協議は無効となりますので注意が必要です。
なお、婚姻している未成年者は成年とみなされますので、自ら遺産分割協議をすることができます。
Q5. 相続人間で遺産分割の協議がまとまらないのですが、どうしたらよいでしょうか?
相続人間の話し合いで遺産分割協議がまとまらない場合には、家庭裁判所に「遺産分割調停」を申立てることができます。
遺産分割調停では、調停委員と裁判官で構成される調停委員会が相続人全員から意見を聞きながら調整を行うことで、話し合いによる遺産分割の成立を目指します。
しかし、遺産分割調停を行い、話し合いがまとまらなければ「遺産分割審判」に自動的に移行されます。
遺産分割審判は裁判官が事情を調査し、適切な遺産分割の方法を選択し審判を下すことで、遺産分割を成立させます。
Q6. 相続人に行方不明の人がいるのですが、どうしたらよいでしょうか?
遺産分割協議は相続人全員の合意がなければ成立しません。
そのため、行方不明の人がいたとしても、その人を除いて遺産分割協議をすることはできません。
このような場合には、相続人は行方不明者について裁判所に「不在者財産管理人」選任の申し立てを行い、そこで選任された不在者財産管理人が行方不明者の代理人として、他の相続人と遺産分割協議をすることになります。
なお、不在者財産管理人が遺産分割協議を行うには裁判所の許可が必要になります。
また、行方不明から7年経過した等の場合、裁判所に「失踪宣告の申立」を行うことで、行方不明者を法律上死亡したものとみなす措置をとることもできます。
Q7. 相続放棄をしたいのですが。
亡くなった方(被相続人)に多額の借金等の債務がある場合、相続ではこれらの債務(マイナスの遺産)も各相続人に法定相続割合にて承継されてしまいます。
債務を負担したくない相続人の方は、相続放棄をすることではじめから相続人でなかったとみなされ、債務を承継することがなくなりますが、預貯金・不動産などの遺産(プラスの遺産)も取得することができなくなります。
相続放棄は、亡くなったこと(相続の開始)を知ったときから3ヶ月以内に、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申立を行います。
ただし、相続放棄を行う前に遺産の一部を処分したような場合は、相続放棄ができなくなりますので注意が必要です。
なお、プラスの遺産とマイナスの遺産のどちらが多いか不明確なときは、遺産の限度内で債務を返済し、債務を返済してもまだ遺産が残っている場合にはその遺産を相続することができる、「限定承認」という手続きを家庭裁判所ですることもできます。
Q8. 不動産取引で気をつけなければならないことは何ですか?
法務局で取引対象となる物件の登記簿を取得し、売買対象物件に間違いはないか、売買物件に漏れはないか、対象物件に他人の権利がついていないか、建物の接道を確保しているか等の確認をします。
例えば、道路やゴミ置き場に持分があったのに知らなかったため所有権の移転を受けていなかったり、他の人から差押えされていた等、事前の調査を怠ると思いもよらない問題が発生してしまいます。
Q9. 当事者の確認はどのようにして行うのですか?
不動産取引において「人」の確認は重要です。
登記簿上の所有者と売買契約を締結した売主が同一人物であるとの確認を怠れば、所有者になりすました者が不動産を勝手に売って、所有者の知らないうちに所有権移転登記がなされてしまうという事になります。
そのような事にならないように、司法書士は、当事者より本人確認資料の提示を受け、総合的に判断して当事者に間違いないかを確認しています。
Q10. 意思の確認はどうして行うのですか?
不動産取引において、当事者の意思確認はとても重要です。
当事者が契約内容について誤解をしていないか等、その確認は慎重を要します。
意思がない、あるいは意思に錯誤があるとき、契約は無効となり、登記申請もすることはできません。
そこで、司法書士が登記申請前に当事者に必ず直接意思確認することで、真正な登記を確保しています。
Q11. 一筆の土の一部を売却したいのですが。
土地は地番ごとに一筆と数えます。
一筆の土地の一部を売却することはできますが、一筆の土地の一部について登記をすることはできません。
一筆の土地のどの部分を売却するか明示しなければならないため、一筆の土地のうち売却する部分を分ける分筆登記を事前に行い、分筆登記完了後に所有権移転の登記を行います。
Q12. 農地を売却したいのですが。
登記上の「地目」が田又は畑となっている不動産を売買するには、農地法という法律により、その農地を管轄する農業委員会又は知事の許可や届出が必要とされています。
地目が田又は畑の土地について、売買による所有権移転登記を行う際は、事前に「農地法の許可書(届出の場合は受理通知書)」を取得する必要があります。
Q13.夫婦で共同で不動産を購入する場合に持分はどのように決めればよいでしょうか?
住宅の購入価格だけでなく、購入のために要した諸費用(引越し代や家具購入費など間接的な費用は除く。
)を含めた総額に対して、いくらずつ負担したのか(あるいは負担する予定なのか)によって共有持分を決めます。
例えば、購入価格が5,700万円(消費税等込み)であり、その購入諸費用が300万円だったとします。
この総額6,000万円の内4,000万円を夫が負担し、2,000万円を妻が負担すれば、それぞれの共有持分は、夫が3分の2、妻が3分の1となります。