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「書面決議(みなし株主総会)」とは?

公開日:2026年09月18日 カテゴリー:コラム タグ:
通常、株主総会は特定の「日時」と「場所」を定めて株主を招集し、議長を中心とした進行を経て決議を行います。
これに対して書面決議(会社法第319条1項)は、「株主の全員が提案に同意したときは、株主総会の決議があったものとみなす」という制度です。リアルな会議を開催しないため、俗に「みなし株主総会」とも呼ばれます。

📋 書面決議が成立するための「3つのステップと必須要件」
書面決議を進めるには、法律で定められた以下の手順を正確に踏む必要があります。
ステップ1:提案書の送付(取締役または株主)
取締役(または株主)から、全株主に対して「株主総会の目的である事項(議案)」の提案書を、書面またはメールなどの電磁的方法で送付します。
ステップ2:株主「全員」による同意書の返送
提案に対して、議決権を有する株主の「全員」が書面または電磁的記録により同意(賛成)の意思表示を行う必要があります。
⚠️ 【実務上最も重要な注意点】全員の同意が必要
通常の株主総会(特別決議)であれば、議決権の3分の2以上の賛成で可決されますが、書面決議の場合は「1人でも反対する株主」や「返信をくれない株主」がいると、その時点で成立しません。
そのため、株主数が数百人いるような上場企業や、連絡が取れない株主がいる会社ではこの制度は使えません。

ステップ3:同意が揃った日に決議成立(効力発生)
最後の株主から同意書(または同意のメール)が会社に「到着した日」に、株主総会の決議があったものとみなされ、議案の効力が発生します。

📅 「通常の株主総会」と「書面決議」の比較

項目 通常の株主総会 書面決議(みなし総会)
開催場所・日時 明確な設定が必要(リアルまたはオンライン) 設定不要(集まる必要がない)
招集通知の期間 原則1週間〜2週間前までに発送 期間の制限なし(いつでも提案可能)
決議要件 過半数または3分の2以上の賛成 議決権のある株主全員の同意
決議成立の日 総会を開催した当日 最後の同意書が会社に届いた日


🔎 登記申請と「株主総会議事録」の特有ルール
書面決議で増資や減資を決議し、法務局へ変更登記を申請する場合も「株主総会議事録」の添付が必要です。
ただし、実際に会議を行っていないため、議事録の書き方は通常の総会とは全く異なります。会社法施行規則第72条4項に基づき、以下の内容をピンポイントで記載しなければなりません。
【書面決議の議事録への必須記載事項】

  1. 株主総会の決議があったものとみなされた事項(議案内容)
  2. 提案をした者の氏名または名称(例:代表取締役 ○○)
  3. 株主総会の決議があったものとみなされた日(最後の同意書が届いた日)
  4. 議事録の作成に係る職務を行った取締役の氏名

法務局の審査では、この「みなし記載」が正しく書かれているかが厳しくチェックされます。

💡 まとめ:増減資の「スピード実行」には最適な選択肢
全株主の足並みが揃っている状態であれば、書面決議は「招集通知の発送期間(1週間など)」を完全にショートカットできるため、極めてスピーディーに増資や減資の登記手続きへ進めることができます。
一方で、事前に内諾を得ていたとしても、有効な「同意書(またはデータ)」の回収が漏れていると法的に決議が無効になるリスクを孕んでいます。実施する際は、提案書の文面や同意書の回収スケジュールについて、あらかじめコーポレート法務に強い司法書士などの専門家とすり合わせておくことを強くお勧めします。

株主総会の招集通知とは?

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