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所有権移転と同時に行う地役権設定登記のポイント

公開日:2026年09月30日 カテゴリー:コラム タグ:
不動産を購入する際、「隣の土地を通行させてもらいたい」「隣の土地の上空に送電線を通したい」といった理由から、物件の引き渡し(所有権移転)と同時に地役権(ちえきけん)を設定するケースがあります。
この「同時申請」を行うにあたって、知っておくべき登記の仕組みや注意点を分かりやすく解説します。
1. なぜ「同時」に申請する必要があるのか?
結論から言うと、要役地の所有権が買い主に移る「その瞬間」に地役権も確保するためです。
地役権は「要役地(利益を受ける土地)」と「承役地(利用させる土地)」という2つの土地の利害関係を登記するものです。
もし所有権移転だけを先に済ませ、地役権の設定を後回しにしている間に、隣の土地(承役地)が第三者に売却されてしまったらどうなるでしょうか。最悪の場合、新しい隣人から「地役権の設定は認めない」と拒絶され、土地が利用できなくなるリスクがあります。
そのため、安全な取引を行うために「所有権移転」と「地役権設定」は同じ日に、連件(一連の申請)として法務局に提出するのが鉄則です。
2. 登記申請の順番(連件申請)
法務局に書類を提出する際は、順序が非常に重要になります。

アパート外観

  • 第1殿(1件目):所有権移転登記
    • 買い主が新しいオーナーになる手続きをまず行います。

  • 第2殿(2件目):地役権設定登記
    • 新しいオーナー(要役地新所有者)と、隣の土地のオーナー(承役地所有者)との間で地役権を設定します。

※実務上、買い主が登記簿に名前が載る前であっても、1件目の移転登記と同時に申請することで、新所有者を地役権者(要役地新所有者)とする地役権設定登記を受理してもらえます。
3. 手続きに必要な書類と「地役権図面」
同時申請の場合、通常の売買書類(権利証や印鑑証明書など)に加えて、地役権用の書類が必要となります。
  • 地役権設定契約書(または設定特約付の売買契約書)
  • 承役地所有者の印鑑証明書・登記識別情報(権利証)
  • 地役権図面(最重要)
    • 隣の土地の「一部」だけを通行する場合など、地役権の範囲が土地全体に及ばない場合は、その範囲を明確に示した図面の添付が義務付けられています。事前に土地家屋調査士等に依頼して作成しておく必要があります。

4. かかる費用(登録免許税)
  • 所有権移転(売買):土地の固定資産税評価額 × 1.5%(※2026年現在の軽減税率)
  • 地役権設定:承役地1筆につき 1,500円
地役権自体の登録免許税は実費ベースで一律1,500円と安価ですが、図面作成のための調査士費用や、司法書士への報酬が別途発生します。
まとめ:事前のスケジュール調整が成功の鍵
所有権移転と地役権設定を同時に行う場合、「売主」「買主(あなた)」「隣の土地の所有者(承役地設定者)」の3者が足並みを揃える必要があります。
特に隣の土地の所有者から「実印」や「印鑑証明書」を預かる必要があるため、引き渡し日(決済日)に向けて早めに関係者と調整を進めることがトラブルを防ぐ最大のポイントです。地役権設定登記とは?(基本の仕組み)

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