親が認知症になって実家が売れない!?知っておくべき2つの対処法
公開日:2026年07月15日
カテゴリー:コラム
「親が認知症になって介護施設に入ることになった。誰も住まない実家を売却して、その介護費用に充てたいけれど……」
実は今、このような相談が急増しています。
結論から言うと、認知症などで親の判断能力が低下してしまうと、親名義の不動産は売却(契約)することができなくなります。 例え実の子どもであっても、親に無断で売ることは「名義変更の偽造」にあたり、法律上認められません。
結論から言うと、認知症などで親の判断能力が低下してしまうと、親名義の不動産は売却(契約)することができなくなります。 例え実の子どもであっても、親に無断で売ることは「名義変更の偽造」にあたり、法律上認められません。
では、すでに認知症が進行してしまい、実家が「フリーズ(資産凍結)」してしまった場合、どうすればよいのでしょうか?
今回は、その具体的な対処法と注意点をわかりやすく解説します。
今回は、その具体的な対処法と注意点をわかりやすく解説します。
❌ よくある勘違い:「家族信託」はもう使えない?

司法書士に相談する高齢者ご夫婦2
認知症対策として有名な「家族信託」ですが、これは親の意識がハッキリしている(判断能力がある)うちにしか契約を結ぶことができません。
そのため、すでに認知症が進行している場合は、残念ながら家族信託を使って子どもが代わりに売却することはできません。
そのため、すでに認知症が進行している場合は、残念ながら家族信託を使って子どもが代わりに売却することはできません。
では、今から取れる解決策を見ていきましょう。
💡 すでに認知症の場合の対処法:2つの選択肢
すでに親の判断能力が不十分な場合、取れる手段は主に以下の2つです。
対処法①:「成年後見(せいねんこうけん)制度」を利用する
もっとも一般的で、王道の手続きです。
家庭裁判所に申し立てを行い、親の代わりに財産を管理・処分する「成年後見人」を選んでもらいます。子どもが後見人に選ばれれば、親の代わりに実家を売却する権限を持つことができます。
家庭裁判所に申し立てを行い、親の代わりに財産を管理・処分する「成年後見人」を選んでもらいます。子どもが後見人に選ばれれば、親の代わりに実家を売却する権限を持つことができます。
- ただし、大きな注意点があります!
実家が親の「居住用(現在住んでいる、または少し前まで住んでいた)」である場合、後見人であっても勝手に売ることはできません。売却するには、さらに家庭裁判所の特別な「許可(居住用不動産処分の許可)」を得る必要があります。介護施設代の捻出など、本当に売却が必要な理由があれば許可されますが、手続きには数ヶ月かかります。
対処法②:親の「判断能力」を専門家に再確認してもらう
「認知症」と診断されていても、その症状の重さは人それぞれです。
物忘れは激しくても、「自分の家を売って、そのお金で施設に入る」という売却の意味や目的を正しく理解できる状態(意思能力がある状態)であれば、例外的に売却できる可能性があります。
物忘れは激しくても、「自分の家を売って、そのお金で施設に入る」という売却の意味や目的を正しく理解できる状態(意思能力がある状態)であれば、例外的に売却できる可能性があります。
- どうやって確認する?
不動産取引に詳しい「司法書士」や、本人の主治医に面談してもらい、法律上の売却手続きが可能かどうかを客観的に判断してもらいます。 - もし「まだ意思能力がある」と認められれば、後見人を立てずにそのまま売却手続き(またはギリギリのタイミングでの家族信託)に進めるケースもあります。
⚠️ やってはいけない!絶対NGな対応
焦るあまり、以下のような行動を取ると法律違反やトラブルの元になります。
- 親のフリをして勝手に売買契約書にサインする(詐欺罪や文書偽造罪に問われるリスク)
- 親の「実印」や「権利証」を黙って持ち出して手続きする(不動産会社や司法書士の本人確認で必ず見破られ、取引が中止になります)
💡 まとめ:まずは専門家へ「現状の相談」を
親が認知症になってからの不動産売却は、時間の経過とともに選択肢が狭まってしまいます。
まずは親の現在の体調(お医者さんの診断内容など)を整理した上で、「成年後見の手続きを進めるべきか」「まだギリギリ本人の意思で売却できる可能性があるか」を、相続や認知症対策に強い司法書士や不動産会社に相談してみるのが一番の近道です。
手遅れだと諦めず、まずは一歩を踏み出してみませんか?








