亡くなった人の遺言書を見つけたら?絶対に知っておくべき「検認」の手続きと注意点
公開日:2026年08月04日
カテゴリー:コラム
家族が亡くなった後、遺品を整理していたら自宅の引き出しから「遺言書」が出てきた――。そんなとき、驚きのあまりその場で開封してしまいたくなりますが、実は法律違反(5万円以下の過料)になるリスクがあるのをご存知でしょうか。
自筆で書かれた遺言書を見つけた場合、最初に行わなければならないのが家庭裁判所での「検認(けんにん)」という手続きです。
なぜ検認が必要なのか、手続きの流れや注意点について分かりやすく解説します。

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1. そもそも「検認」とは?なぜ必要なの?
検認とは、家庭裁判所に遺言書を提出し、相続人の立ち会いのもとで「遺言書が確かに存在すること」「どのような内容で書かれているか」を確認・記録する手続きです。
いわば、遺言書の「現状保存(スナップショット)」です。
💡 検認を行う2つの目的
- 偽造・改ざんの防止:後から特定の相続人が自分に都合よく書き換えるのを防ぎます。
- 名義変更の必須条件:検認を受けると、裁判所から「検認済証明書」が発行されます。これがないと、銀行口座の解約や不動産の名義変更(相続登記)ができません。
⚠️ よくある誤解:遺言の「有効・無効」を判断するわけではない
検認はあくまで「こういう状態の遺言書がありました」と確認するだけの手続きです。「認知症の状態で書かれたから無効だ」「内容が不公平だ」といった、遺言の法的な有効性をジャッジするものではありません。内容の有効性を争う場合は、別途裁判(訴訟など)を起こす必要があります。
2. 検認が必要な遺言書・いらない遺言書
すべての遺言書に検認が必要なわけではありません。遺言書の種類によって分かれます。
- 検認が「必要」な遺言書
- 自宅や貸金庫で見つかった「自筆証書遺言」
- 秘密証書遺言
- 検認が「不要」な遺言書
- 公証役場で作成した「公正証書遺言」
- 法務局に預けていた自筆証書遺言(遺言書保管制度を利用したもの)
公証役場や法務局という「公的機関」に保管されていたものは、改ざんの恐れがないため、検認なしですぐに相続手続きに使えます。
3. 検認の具体的な流れと3つのステップ
もし自宅で遺言書を見つけたら、以下のステップで進めます。
ステップ①:絶対に開封せず、そのまま保管する
封印のある遺言書は、家庭裁判所で相続人の立ち会いのもとでしか開封できません。うっかり開けてしまっても遺言自体が無効になるわけではありませんが、他の相続人から「自分に不利な内容を破棄したのでは?」と疑われ、無用なトラブルを生む原因になります。
ステップ②:家庭裁判所へ申し立てる
亡くなった人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所へ書類を提出します。
- 必要なもの:申立書、遺言者の出生から死亡までのすべての戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本、収入印紙(800円分)など。
ステップ③:検認期日(当日)に裁判所へ行く
申し立てから約1〜2ヶ月後、裁判所から相続人全員に「〇月〇日に検認を行います」という通知が届きます。
- 当日は、申立人(遺言書を見つけた人)は必ず遺言書を持参して出席します。
- 他の相続人は出席しなくてもペナルティはなく、手続きはそのまま進行します。
- 裁判官が全員の前で開封し、中身を確認したら、その場で「検認済証明書」をホチキス留めして返却してくれます。
まとめ:もしもの時に備えて
遺言書の検認は、戸籍謄本の収集や裁判所とのやり取りなど、完了までに1〜2ヶ月以上の時間がかかります。その間、遺産の手続きはストップしてしまうため、残された家族の負担になります。
これから遺言書を書く予定がある方は、残された家族が「検認」で苦労しないよう、公正証書遺言にするか、法務局の遺言書保管制度を利用することを強くおすすめします。

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