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亡くなった祖父の土地の名義変更しないとどうなる?手続き方法や放置するリスクについて

公開日:2022年05月24日 カテゴリー:コラム, 相続, 相続放棄 タグ:

親が亡くなった後に、遺産の相続について整理していたら一部の不動産がすでに亡くなっている祖父名義のままだった、などというケースがあります。

そのような場合、名義はそのままで相続することは可能なのでしょうか?

また、そのまま放置しても大丈夫なのでしょうか?

この記事では、先代名義のままの不動産の相続について、詳しく解説いたします。

亡くなった祖父母名義の不動産|放置しても良いの?

現状、名義変更をする義務はありません。

そのため、たとえば現在住んでいる家が祖父母の名義のままだったとしても、そのまま住み続けることには特に問題はありません。

しかし、不動産の相続登記が義務化されることが決定しており、2024年4月の施行により遡る相続についても適用されるため、早めの対策が必要となりました。

祖父母が亡くなってから長い期間が経ってしまうと、両親やその他の親せきなど法定相続人にあたる人が増えてしまうことになります。

そのため、いざその不動産を売却するなどの処理をしようとした場合に手続きが煩雑になってしまう恐れがあります。

土地や家の名義変更しないとどうなるの?

では、相続した不動産の名義変更をしないとどうなるのでしょうか。

放置した場合に起こるリスクについて説明します。

すぐに自分名義に変更することが難しい

相続時の義務化も視野に入れ、すぐにでも自分名義に変更しておきたい。

そう考えてもすぐに変更することが難しい場合があります。

先代からの名義変更を行うには、法務局で登記申請をしなければなりません。

その際に、自分の戸籍のほか、亡くなった被相続人の戸籍が必要となります。

加えて、先代の相続人にあたる人全員に遺産分割協議書に署名・捺印をもらわなければなりません。

祖父の相続人となると配偶者もすでに亡くなっている場合も多く、その子供や孫が相続人となっている場合には署名・捺印をもらうことも簡単にはいかないこともあります。

そのため、すぐに名義変更をすることが難しいのです。

売却・賃貸することが難しい

名義変更をしていないままだと、相続した不動産に住む予定がない場合でも売却したり賃貸に出したりということが簡単にはできません。

なぜなら、名義が先代のものである間はその不動産は、相続人全員の共有財産だからです。

まずは、相続人全員で誰が相続するのかを決めるため「遺産分割協議」と呼ばれる話し合いをしなければなりません。

「遺産分割協議」によって決まった相続人へと名義変更手続きをしたのちに、売却や賃貸に出すことが可能になるのです。

亡くなった祖父母の土地|名義変更手続きについて

名義変更手続きとは

名義変更手続きとは、「亡くなった方が所有していた不動産」の名義を相続人へと変更することをいいます。

この申請によって被相続人から相続人へと所有者が変更となります。

名義変更手続きは、名義人と新たに名義人となる人の間で行われる手続きですが、元の名義人の死亡時には「相続登記手続き」となります。

名義変更手続きの流れ

  • 相続する不動産の資料を用意する
  • 登記簿謄本や固定資産評価証明書など不動産の詳細がわかる書類
  • 戸籍に関する書類を用意する
  • 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍や住民票除票が必要
  • 相続人の確定をする
  • 相続人の戸籍謄本や、遺産分割協議書などを用いて不動産を相続する相続人を確定
  • 不動産の登記申請を行う
  • 必要書類をそろえて法務局に申請

上記のような手続きの流れは、被相続人の本籍地が遠方であったり相続人の数が多い場合、書類準備や話し合いに余計に時間が掛かってしまうかもしれません。

また、法務局に申請してから受理されるまでも一般的に2~3週間かかるとされています。

事前に法務局へ問い合わせて必要な書類を準備し、少しでも早く名義変更の申請ができるようにしましょう。

名義変更手続きにかかる費用

不動産の名義変更には主に、登録免許税・必要書類の取得費用がかかります。

主な必要書類の取得費用
住民票 200~300円
住民票の除票 200~300円
印鑑証明書 200~300円
戸籍謄本 450円
除籍謄本 750円
固定資産評価証明書 200~400円
登録免許税 固定資産評価額の0.4%

※各自治体により異なる

登録免許税

「固定資産税評価額×税率」で計算しますが、その税率はどのような理由で名義変更をするかによって変動します。

今回は相続となるため、税率0.4%で計算します。

必要書類取得

 住民票や印鑑証明などは役所で、登記簿謄本などは法務局で取得します。

費用は各自治体によって差はありますが、大体数百円で取得可能です。

ほか名義変更の手続きを司法書士に依頼した場合には、その報酬も必要となります。

報酬額は一般的に5~15万円程度が相場といわれていますが、依頼する内容(土地や相続人の多さなど)によっても変わります。

亡くなった祖父母の名義変更は司法書士に依頼すべき?

亡くなった祖父母が所有していた不動産の名義変更を自分で行う方も中にはいらっしゃいます。

しかし、必要書類の取得ひとつを取っても平日の役所や法務局に何度も足を運ぶ必要があり、時間と労力を要するのは間違いありません。

司法書士はこのような不動産の名義変更や相続に関する書類作成の専門家ですので、必要書類の取得や手続きの代行を全て任せることが可能です。

司法書士が用意する書類の必要事項を記入したあとは、申請が完了するのを待つだけで大丈夫です。

司法書士によっては、相続する不動産以外にも土地や遺産が無いかも合わせて調査してもらうことも可能です。

そのため、遺産分割協議書の作成なども含め、後々親族間でのトラブルが起きることも少なくなるでしょう。

相続人全員の署名・捺印が必要な遺産分割協議書の作成や、遠方の役所からの戸籍謄本取得などは重要で省くことのできないものです。

そして、時間と労力をとても使うめんどうな作業でもあります。

めんどうな手続きなどに労力を使うことなく名義変更を行うことができる上に、相続トラブルも回避できるとあれば司法書士に依頼するのが得策といえるのではないでしょうか。

まとめ

亡くなった祖父母の名義のままの不動産をどうしたらよいのか、について解説しました。

不動産の相続登記が義務付けられていないため、亡くなった親が遺した不動産がそのまた親である祖父母名義のままだったというケースは少なくないようです。

しかしそのままでは、売却も賃貸もできず、困ることになります。

不動産の相続登記の義務化も近づく中、トラブルを回避するためにも親や祖父母が亡くなった後なるべく早い段階で名義変更するのが望ましいです。

とはいえ、不幸のあった後にのしかかる多くの手続きをすべてこなすのも大変なことですよね。

そのようなときには専門家である司法書士に相談し、手続きなどを依頼することも視野に入れるとよいのではないでしょうか。