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会社設立に必要な定款とは|記載内容・認証手続き・費用について

公開日:2022年05月13日 カテゴリー:コラム タグ:

実際に自分で会社を設立しようと考えた時に必ず必要になるのが「定款」です。

定款が無ければ、会社設立の手続きを実施することは絶対にできません。

しかし、定款に関して詳しい知識などを持っている方は少ないのではないでしょうか。

定款に関して多少なりとも知識が無ければ会社設立は不可能であり、会社設立にはなくてはならないのが会社の定款です。

そこで本記事では会社の定款について詳しく解説をおこない、その他会社設立に必要な手続きなどを紹介していきます。

会社設立登記に必要┃定款とは

定款のイメージ画像

定款とは会社設立登記に必要不可欠な書類で、会社設立において重要な役割を果たすことは間違いありません。

一方で、内容に関して詳しく知っている方も少ないのではないでしょうか。

ここからは会社の定款について詳しく解説をしていきます。

定款とは

定款とは、会社の憲法と言われているもので、会社設立において必要不可欠な重要書類の1つです。

定款の記載内容は、会社法と言われる法律であらかじめ定められています。

もし、記載漏れなどがあった場合、受理されませんので十分注意しましょう。

定款には、会社運営に重要な事項が記載されており、会社は作成された定款に記載された内容に沿って運営されていきます。

定款は会社憲法と言われるほど重要な物であり、作成に関しては十分注意を払いながら作成をしていかなければなりません。

ここからは、定款を雑に作成してはいけない理由について解説をしていきます。

株式会社設立日が延期するリスクがある

株式会社設立には定款の作成が必須となり、その後公証役場で認証されて初めて使用できるため認証されなければ会社設立登記ができません。

したがって、もし雑に定款を作成して何度も修正の指示を受ければ、会社設立日に設定したい日付を超えてしまい、会社設立日が延期するリスクがありますので十分注意しましょう。

電子定款について

現在、多くの会社は電子定款を作成しています。

電子定款ではPDF化してデータを提出する形になりますので、収入印紙が不要になります。

しかし、電子定款を利用する場合は、電子署名(紙におけるサインや印鑑のようなもの)の記入が必要になりますので十分確認をしましょう。

また、電子定款を作成するには、必要な機器類の購入が必要ですが、既に機器類を所有していれば電子定款の方がお得に定款を作成することができます。

定款作成┃記載内容について解説

サインする様子の画像

定款作成は会社の憲法作成と同様と言われるほど、会社設立においてとても重要です。

ここからは定款作成時の記載内容について解説をしていきます。

絶対的記載事項(会社法27条)

絶対的記載事項は、名前の通り必ず記載するものです。

以下ひとつでもない場合は公証役場で認証されず、定款として無効となってしまいますので十分注意しましょう。

目的(事業内容)

事業の記載内容は「安定性」「営利事業であること」「明確性」を考慮して作成しましょう。

また、定款に記載した事業目的以外で事業をおこなうことでのトラブルを避けるために、下記の2点の記載も徹底しましょう。

  • 「前各号に附帯又は関連する一切の事業 」と記載する
  • 将来的におこないたい事業も予め記載する

商号

商号とは会社名のことです。

商号は、個人にとっては姓名のようなものであり、法務局に登記した商号が正式名称となります。

下記に商号を決める際のポイントを記載しておきます。

  • 会社の種類を入れる
  • 似ている商号は避ける

本店の所在地

本店の所在地とは、設立する会社の本社が設置されている住所のことです。

設立に際して出資される財産の価額又はその最低額

会社設立に関しては、設立に出資される財産などに関する記載も必要不可欠です。

下記に記載時のポイントを表記しておきます。

  • 定款作成時に絶対的記載事項から設立時発行株式総数の記載は除く
  • 会社の設立に際して出資される財産の価額又はその最低額を定めて定款に記載する

発起人の氏名又は名称及び住所

会社設立時の発起人とはいったい誰のことを指すのでしょうか。

下記に発起人の定義を表記しておきます。

  • 会社設立時に資本金の出資をした人
  • 会社定款などの会社設立の手続きをおこなう人

定款には、この2点の作業に従事した人の氏名又は名称、及び住所を記載しましょう。

相対的記載事項(会社法28条)

相対的記載事項とは、法的には記載しなくてもよいものですが、絶対的記載事項のみだと不十分な場合に記載しておいた方がいいものです。

記載しておくことで、会社の規則としての効力が認められます。

相対的記載事項はかなり広範囲で重要なものです。

その中から特に重要な物を下記に表記しておきます。

  • 変態設立事項(会28)
  • 株主名簿管理人(会123条)
  • 譲渡制限株式の指定買取人の指定を株主総会(取締役会設置会社にあっては取締役会)とする
  • 単元株式数(解188条1項)
  • 取締役会、会計参与、監査役、監査役会、会計監査人及び委員会の設 置(会326条2項)
  • 取締役会設置会社における中間配当の定め(会454条5項)

任意的記載事項

任意的記載事項とは、定款に記載せず、他の文書に記載した場合でも効力が認められるものです。

これは違法性のないものであれば、自由に定めることができます。

下記に任意的記載事項の代表的なものを記載しておきます。

  • 定時株主総会招集時期:株主総会の招集時期について記載
  • 株主総会の議長:株主総会の議長の選定について記載
  • 事業年度・その他:事業年度の時期の設定をおこない、その他自由に記載が可能

書類・費用など解説┃定款の認証手続き

実印のイメージ画像

定款の作成は、会社設立に必要不可欠ですが、実際に必要な書類・費用なども複雑であるのが現状です。

ここからは、定款作成に必要な書類・費用などについて解説をおこない、定款の認証手続きなども紹介していきます。

紙の定款の場合:自分で作成するやり方

定款の作成方法には、PDF化してデータを提出する電子定款と、紙などの書面に記入し自分で作成する方法があります。

ここでは、紙の定款を自分で作成する方法について紹介します。

紙による申請に必要なもの

定款を紙による申請時に必要な物を下記に表記していきますので、参考にしてください。

  • 紙の定款3通
  • 発起人(出資者)全員の印鑑証明書
  • 収入印紙4万円分
  • 公証人へ払う手数料5万円
  • 定款の謄本交付手数料→250円×ページ数
  • 委任状(代理人が定款認証をおこなう場合のみ)

紙の定款認証の流れ

紙の定款の場合は、本社所在地と同じ都道府県内にある公証役場でのみ認証が可能です。

下記に紙の定款認証の大まかな流れについて表記しておきます。

  • 1.各公証人役場に、事前チェックのための定款案を送付
  • 2.公証人が定款案をチェック
  • 3.公証人役場より結果の連絡が来る
  • 4.定款(原本)3通の作成
  • 5.発起人本人または代理人が公証役場に必要書類を提出

電子定款の場合:自分で作成するやり方

電子定款を利用して定款を作成すれば、紙で定款を作成するよりも簡単な方法で定款を作成できますのでとても便利です。

ここからは、電子定款を自分で作成する方法について解説をします。

電子による申請に必要なもの

電子定款申請は、紙の定款申請より簡単にできますが、実際にどんなものを準備すればいいか分かりませんよね。

下記に電子定款申請に必要な物を表記しておきます。

  • 電子証明書付きのマイナンバーカード
  • 電子署名ソフト
  • ICカードリーダライタ
  • 電子署名プラグインソフト

電子定款の手順について

電子定款の手順は紙の定款作成と比較すると簡単ですが、難しい点もあるのが現状です。

しかし、自分でも十分作成は可能です。

下記に電子定款の手順について表記していきます。

  • 1.マイナンバーカードを発行してもらう
  • 2.ICカードリーダライタを購入する
  • 3.Adobe Acrobatを購入・ダウンロードする
  • 4.PDF署名プラグインソフトをダウンロード
  • 5.申請用総合ソフトをダウンロード
  • 6.自分で定款を作ってみる
  • 7.定款を公証人にチェックしてもらう
  • 8.定款をPDF化・電子署名する
  • 9.公証人と受け取りについて打ち合わせ
  • 10.認証済みの定款を受け取りに行く

定款は自分でも作成は十分可能ですが、定款は記載内容が複雑なため、書類の用意が苦手な方は、専門家に依頼した方がいいかもしれません。

司法書士に依頼するメリット

会社設立手続きにおける定款の作成・認証作業は、とても複雑であり、専門的な知識などが無ければ手続きに多くの時間がかかってしまいます。

しかし、司法書士・行政書士に定款の作成・認証を依頼すれば、迅速な定款の作成・認証が可能になります。

下記に司法書士・行政書士に依頼するメリットを記載しておきます。

  • 認証の申請から受け取りまで行うことが可能
  • 会社設立登記全て行うことが可能(司法書士限定)
  • 電子申請のため、印紙代がかからない
  • 認証の申請から受け取りまで行うことが可能

司法書士・行政書士に依頼すれば、専門的な知識をもっているため、スムーズに定款の作成をおこなうことができます。

公証役場で差し戻される心配も少ないので、自分で行うよりも効率が良いかもしれません。

会社設立登記全てをおこなうことが可能(司法書士限定)

司法書士は、定款の作成やその後の会社設立登記に関する全ての手続きを行うことができます。

株式会社設立┃費用のまとめ

電卓で計算する画像

株式会社設立にはさまざまな手続きや、それに伴いかかる費用の構造も複雑になっています。

下記に会社設立にかかる費用を表にしてまとめますので参考にしてください。

自分で行う場合 専門家に依頼する場合
紙の定款 電子定款 電子定款
公証役場手数料 3~5万円 3~5万円 3~5万円
定款印紙代 4万円 0円 0円
機材 0円 5万~6万円 0円
専門家依頼費 0円 0円 5千~2万円
合計 7~9万円 8~11万円 3万5千円~7万円

※専門家依頼費は定款作成費のみを記載しています。

会社設立においてはとても細かい金額が掛かりますが、

定款を含む登記にかかる合計金額は約20~25万円です。

電子定款の認証の場合は、印紙代がかからないため約21万円です。

紙の定款認証の場合は、印紙代がかかるため約25万円です。

司法書士は、定款作成を含む会社設立登記すべてを行うことができ、依頼費は、約10万円程度です。

そのため、司法書士に依頼した場合の料金は、依頼費と申請費を合わせて約30~35万円になります。

司法書士に依頼することで、不備が無いように書類を作成することが可能です。

書類作成で時間を取られてしまい、仕事を開始できない…ということを避けるためにもおすすめします。