不動産の相続手続きの代行|司法書士・税理士・弁護士?費用・メリットを解説
「不動産を相続したけど手続は難しいし、誰に相談したらいいんだろう」
不動産の手続きについて知らないあなたは、専門家に手続きを依頼しようと考えているはずです。
もちろん相続するあなた自身が手続きをすることもできます。
しかし、知識もなく手続きについて知らない状態では、時間もお金も必要以上にかかってしまい、適切な手続きをすることはできません。
専門家に手続きの代行を依頼するメリットを知り理解すれば、どの専門家に依頼するのが適切なのか分かるようになります。
不動産相続の手続きを代行してもらうメリット
専門家に手続きの代行を依頼するメリットは次の3つです。
- ①時間を短縮できる
- ②費用を抑えることができる
- ③専門家を自分で選べる
それぞれを見ていきましょう。
①時間を短縮できる
不動産の相続を完了させるためには、必要な書類を揃えた上で手続きを行うことが必要です。
必要な書類を調べ、役所から取り寄せ、手続きを行います。
手続きに関する知識がなく専門家ではない人が行うと、専門家に依頼した場合と比べて多くの時間が掛かってしまいます。
もしも、限定承認または相続放棄をするかどうか迷っているなら、致命的な時間のロスになってしまうでしょう。
専門家であれば、必要な書類も手続きの方法も把握しているので、大幅に時間を短縮することが可能です。
②費用を抑えることができる
専門家へ依頼するには当然費用が掛かるので、支払うのに躊躇するかもしれません。
しかし、あなた自身で手続きを行う際に、間違って違う書類を取り寄せてしまった場合、改めて役所へ手数料を納めて取り寄せなければなりません。
本来するべきでなかった手続きをしてしまったため、後になって余計な税金を納めなければならなくなるかもしれません。
専門家に依頼することで、余分な費用を支払うリスクを極力減らすことができるのです。
③手続・税金面など相続時の不安を解消
相続には多くの法律が関係するため、手続きや税金も複雑になることがあります。
相続人となったばかりのあなたは、知らないことの連続で何から手をつけていいのか混乱してしまうことでしょう。
専門家に相談すれば、相続ではどのような手続きが必要で、税金をどのくらい支払うことになるのかクリアにすることができます。
相談内容に納得した上で専門家に依頼すれば、後は安心して手続きの完了を待つだけです。
不動産相続を代行依頼する際の費用
では、専門家に手続きの代行を依頼するとして、どのくらい費用が掛かるのか概略を見ていきます。
対象は司法書士、行政書士、税理士、そして弁護士です。
<相続・遺言>
手続 | 費用(万円) | 対応 | |||
---|---|---|---|---|---|
司 | 行 | 税 | 弁 | ||
遺言書作成 | 8~20 | ◯ | ◯ | × | ◯ |
遺産分割協議書作成 | 5~10 | ◯ | ◯ | × | ◯ |
相続関係図作成 | 2~5 | ◯ | ◯ | × | ◯ |
戸籍・住民票取り寄せ | 2~5 | ◯ | ◯ | × | ◯ |
税理士はあくまでも税金に関する専門家であるため、相続・遺言に関する書面の作成や手続きができません。
司法書士・行政書士・弁護士はいずれも可能です。
ただし、同じ手続きであっても、弁護士に依頼する場合は比較的高額になることが多いため、事前に電話やホームページで料金を確認しておきましょう。
同じ手続きであれば司法書士へ依頼して、費用を抑えることを検討してみましょう。
手続 | 費用(万円) | 対応 | |||
---|---|---|---|---|---|
司 | 行 | 税 | 弁 | ||
不動産 | 8~20 | ◯ | × | × | × |
預貯金・株式 | 5~10 | ◯ | ◯ | × | ◯ |
車・バイク | 2~5 | × | ◯ | × | × |
税理士は名義変更に関する手続きもできません。
不動産の名義変更は司法書士のみ、車・バイクの名義変更は行政書士のみができます。
不動産の名義変更は司法書士のみが扱えるので、相続の手続きに関しては弁護士が司法書士に依頼することが多いようです。
名義変更を含めた手続き全体を考えると、司法書士へ依頼することで効率よく手続きを進められるでしょう。
不動産相続の代行依頼|司法書士
司法書士が代行できる手続き等は次のとおりです。
<調査>
- 戸籍謄本・住民票等の取得
- 固定資産税評価証明書の取得
- 登記事項証明書の取得
- 相続人調査
- 遺言調査
- 財産・負債調査
相続人を特定し、財産・負債を余すところなく調査します。
戸籍謄本・住民票は聞いたことがあっても、土地の価値を示す固定資産税評価証明書や土地の所有者等に関する情報を記載した登記事項証明書は聞き慣れないことでしょう。
取得する手続きについても知らない相続人がほとんどです。
法律の手続に関する専門家である司法書士であれば一括して取得できるため、比較的短期間で調査を終えることができます。
<書面作成・手続>
- 遺産分割協議へのアドバイス
- 遺産分割協議書の作成
- 預貯金の名義変更・払い戻し
- 登記申請書の作成
- 法務局への登記申請
遺産分割協議書は当然のこと、司法書士にしかできない不動産の名義変更があります。
相続に関する相談から実際の手続きまで一貫して行い、手続きに関して他の士業へ依頼する場合も比較的少ないので、効率的に手続きを進められます。
不動産相続の代行依頼|行政書士
行政書士が代行できる手続き等は次のとおりです。
<調査>
- 戸籍謄本・住民票等の取得
- 固定資産税評価証明書の取得
- 登記事項証明書の取得
- 相続人調査
- 遺言調査
- 財産・負債調査
行政書士も調査に関する書類の取り寄せ等を行うことができ、相続人を特定し、財産・負債を余すところなく調査します。
<書面作成・手続>
- 遺産分割協議へのアドバイス
- 遺産分割協議書の作成
- 預貯金の名義変更・払い戻し
- 車・バイクの名義変更
行政書士は司法書士と異なり、不動産に関する手続きができません。
ただし、車やバイクなどの名義変更は行政書士が専門であるため、相続する財産の中に車・バイクが含まれる場合は行政書士への依頼も必要です。
とはいえ、不動産に関する手続きができないので、結局は司法書士との連携が必要になります。
司法書士が行政書士の資格も持っていること、あるいは同じ事務所に司法書士と行政書士が在籍していれば理想的です。
不動産相続の代行依頼|税理士
税理士が代行できる手続き等は次のとおりです。
- 相続税関連の相談全般
- 相続人調査
- 節税を踏まえた遺産分割協議書、遺言書の作成
税理士は相続を含めた税金に関する専門家であって、法律の手続きに関する専門家ではありません。
相続人調査に必要な書類を取り寄せることができないので、あくまでも依頼者が持参した書類をもとに調査するに留まります。
その他、相続に関連する手続きもできず、結局は司法書士など他の士業へ依頼することになるため、相続手続き全体を考えると税理士への相談は必ずしも効率的とは言えません。
不動産相続の代行依頼|弁護士
弁護士が代行できる手続き等は次のとおりです。
<調査>
- 戸籍謄本・住民票等の取得
- 固定資産税評価証明書の取得
- 登記事項証明書の取得
- 相続人調査
- 遺言調査
- 財産・負債調査
相続人を特定し、財産・負債を余すところなく調査します。
<書面作成・手続>
- 遺産分割協議へのアドバイス
- 遺産分割協議書の作成
- 預貯金の名義変更・払い戻し
弁護士も司法書士と異なり、不動産に関する手続きができません。
不動産に関する手続きができないので、結局は司法書士へ依頼することになります。
<交渉・裁判>
- 他の相続人との交渉
- 遺言書検認等の裁判の代理
遺言書の内容に不服がある、遺産分割協議が難航しているなど、他の相続人との間で争いがある場合は弁護士へ依頼することになるでしょう。
弁護士は調査や書面作成も当然に行いますが、基本的に裁判への対応を前提にしているため、相続に争いがなく手続きのみ必要な場合はほとんど依頼を受けず、司法書士を紹介することで対応します。
結果として、弁護士への相談が回り道になってしまう場合もあるのです。
不動産相続の代行依頼|銀行・信託銀行
銀行・信託銀行が提供する相続関連のサービスは司法書士や税理士と提携することで実現しており、銀行や信託銀行は単なる窓口の役割でしかありません。
銀行が受け付けた内容を司法書士や税理士に改めて連携する必要があるため、手間も掛かり、銀行・信託銀行を介することによる手数料も大きな負担となります。
また、司法書士や行政書士に連携する担当者は、法律の専門家ではありません。
あなたから聞き取った内容がそのまま正確に伝わらず、事実関係の認識に齟齬が生まれる可能性もあります。
司法書士などの士業へ相談することに抵抗があるならば、費用が高くなり、注意点があることも踏まえた上で利用しましょう。
司法書士・行政書士が在籍するネクストリーガルへ相談
ネクストリーガル司法書士・行政書士事務所には、司法書士・行政書士の両方が在籍しているため、相続に関連する手続きのほぼ全域をカバーできます。
司法書士と行政書士の連携もスムーズに行えるため、手続きに必要な時間も短縮でき、余計な費用を抑えることも可能です。
さらに、ネクストリーガル司法書士・行政書士事務所では提携する税理士とのネットワークを活かして、相続に関する税金の経験豊富な税理士をご紹介できます。
司法書士・行政書士・税理士が連携することで、手続きだけでなく税金の面からも、一括してすべての手続きを行うことが可能になるのです。
まとめ
相続に関する手続きを、専門家に依頼するメリットの大きいことは十分理解できたはずです。
「司法書士とか専門家へ依頼するのって敷居が高いんだよな」
あなたがそう感じていても、手続きに関する知識がないまま手探り状態で行うと、結果として、時間的にも金銭的にも余計に費やしてしまいます。
専門家に依頼することで時間を短縮し、費用も抑えられます。
ただし、どこまでの手続きを依頼できるのか、費用はどのくらいなのか事前に把握しておきましょう。
司法書士が行政書士の資格も持っている、あるいは異なる専門家が同じ事務所に在籍している場合であれば、連携もスムーズで結果的に費用を抑えることができます。
ネクストリーガル司法書士・行政書士事務所では、司法書士・行政書士・税理士の連携がスムーズにでき、相続に関するすべての手続きを代行することができるので、ぜひご相談ください。